こんな変化はありませんか?
- ペレットを食べるときにポロポロこぼす
- 牧草をあまり食べなくなった
- 口元やあごが濡れている
- 食べたそうにするのに、うまく食べられていない気がする
うさぎにこのような変化があると、とても心配になりますよね。
うさぎは体調不良を隠しやすい動物です。
特に歯や口の中にトラブルがある場合、最初は「少し食べ方が変わった」「好きなものだけ食べるようになった」といった小さな変化として現れることがあります。
うさぎの歯は一生伸び続けます。そのため、かみ合わせや食事内容、体調の変化などによって、歯がうまく削れず、食べづらさや痛みにつながることがあります。
今回は、うさぎがペレットをこぼす、よだれが出る、食べにくそうにするときに考えられる歯のトラブルや、不正咬合の症状、受診を考えたいサインについて解説します。
先に結論
ペレットの食べこぼし、牧草を避ける、よだれ、口元の汚れなどは、歯や口の中の痛み・違和感が関係していることがあります。食欲やうんちの量にも変化がある場合は、様子を見すぎず動物病院へ相談しましょう。
うさぎの「食べ方の変化」は歯のトラブルのサインかもしれません

うさぎの体調を見るときは、「食べているかどうか」だけでなく、「どのように食べているか」も大切です。
たとえば、少しは食べているように見えても、実際には十分な量を食べられていないことがあります。次のような変化がある場合は、歯や口の中に違和感や痛みが隠れているかもしれません。
- ペレットをポロポロこぼす
- 牧草を食べる量が減った
- 牧草を避け、やわらかいものや好きなものだけ食べる
- 食べるスピードが遅くなった
- 口を動かすけれど、すぐ食べるのをやめる
- 口元やあごが濡れている
- 前足の内側が汚れている
- 歯ぎしりのような音がする
- 涙や目やにが増えた
- あごや顔まわりが腫れている
「まったく食べないわけではないから大丈夫」と思っていても、うさぎでは小さな変化が不調のサインになっていることがあります。
うさぎの不正咬合とは?

不正咬合とは、歯のかみ合わせが悪くなり、歯がうまく削れずに伸びすぎたり、尖った部分ができたりする状態です。うさぎの歯は、人の歯とは違い「常生歯」と言って、一生伸び続けます。
通常は、牧草などをよく噛むことで歯が自然にすり減り、適切な長さが保たれます。しかし、歯のすり減り方に偏りが出ると、歯が伸びすぎたり、尖った部分が舌や頬の内側に当たったりすることがあります。
その結果、食べるときに痛みが出たり、食べ物をうまく噛めなくなったりします。
不正咬合は、前歯だけでなく奥歯に起こることもあります。前歯の異常は飼い主さまが気づきやすい場合もありますが、奥歯の異常は外から見ても分かりにくく、動物病院での診察が必要になります。
不正咬合で見られやすい症状

ペレットをポロポロこぼす
ペレットを口に入れても、うまく噛めずにこぼしてしまうことがあります。
以前はきれいに食べていたのに、最近食べこぼしが増えた場合は、歯や口の中に違和感があるかもしれません。
牧草を食べにくそうにする
うさぎにとって牧草はとても大切な食事です。
しかし、歯に痛みや違和感があると、しっかり噛む必要がある牧草を避けることがあります。「ペレットやおやつは食べるけれど、牧草をあまり食べない」という場合も注意が必要です。
好きなものだけ食べる
やわらかいもの、食べやすいもの、好きなおやつだけ食べる場合も、歯のトラブルが隠れていることがあります。
単なる好き嫌いに見えても、実際には硬さや噛みやすさによって食べるものを選んでいる可能性があります。
よだれが出る・口元が濡れている
うさぎの口元やあごが濡れている場合、よだれが出ている可能性があります。
歯が伸びすぎたり、口の中に傷や痛みがあったりすると、よだれが増えることがあります。
よだれが続くと、あごや首の毛が濡れたり、皮膚が荒れたりすることもあります。
前足の内側が汚れている
うさぎは、口元を前足でぬぐうことがあります。
そのため、よだれや口元の汚れがあると、前足の内側が濡れたり汚れたりすることがあります。口元だけでなく、前足の汚れもチェックしてみてください。
歯ぎしりをする
うさぎは、リラックスしているときに小さく歯を鳴らすこともあります。
一方で、強い歯ぎしりのような音や、痛そうな様子を伴う場合は、体のどこかに痛みがあるサインのことがあります。
食べ方の変化や元気の低下が一緒に見られる場合は、早めの受診をおすすめします。
涙目・目やに・顔の腫れがある
歯のトラブルは、口の中だけでなく、目や顔まわりの症状として現れることもあります。
特に奥歯や歯の根元に問題がある場合、涙が増えたり、目やにが出たり、あごや顔が腫れたりすることがあります。目の症状だけに見えても、背景に歯の問題が関係していることもあるため、注意が必要です。
不正咬合が起こる主な原因

うさぎの不正咬合には、さまざまな要因が関係します。
牧草を食べる量が少ない
牧草をしっかり噛むことは、歯の自然な摩耗に関わります。
牧草を食べる量が少ないと、歯が十分にすり減らず、かみ合わせのバランスが崩れやすくなることがあります。
ペレットやおやつに偏った食生活
ペレットやおやつ中心の食生活になると、牧草を噛む時間が少なくなり、歯の摩耗が不十分になることがあります。
うさぎの食事は、牧草を中心に考えることが大切です。
生まれつきのかみ合わせ
生まれつき歯並びやあごの形に特徴があり、不正咬合を起こしやすい子もいます。
若いうちから歯の異常が見られる場合や、繰り返し歯の処置が必要になる場合もあります。
歯が折れた・外傷がある
転倒やケージをかじる癖などによって歯が折れたり、かみ合わせが変わったりすることがあります。
歯が一部だけ欠けることで、反対側の歯がうまく削れずに伸びてしまうこともあります。
体調不良による食べ方の変化
体調不良で食べる量が減ると、歯の摩耗も少なくなります。
その結果、歯のトラブルが悪化し、さらに食べづらくなるという悪循環に入ることがあります。
歯のトラブルを放置するとどうなる?

うさぎの歯のトラブルは、自然に改善するとは限りません。
歯が伸びすぎたり、尖った部分が口の中に当たり続けたりすると、痛みによってさらに食べられなくなることがあります。
また、食べる量が減ると、うさぎでは消化管の動きが落ちやすくなります。食欲低下に加えて、うんちが小さい、少ない、出ていないといった変化がある場合は注意が必要です。
さらに、よだれが続くことで口元やあごの皮膚が荒れたり、歯の根元の問題から涙目や顔の腫れにつながったりすることもあります。
「少し食べているから大丈夫」と様子を見すぎると、受診時には状態が進んでいることもあります。
早めに動物病院を受診した方がよいサイン

次のような様子がある場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
- ペレットをこぼす状態が続いている
- 牧草を食べる量が明らかに減った
- 好きなものだけ食べている
- 口元やあごが濡れている
- 前足の内側が汚れている
- 歯ぎしりや痛そうなしぐさがある
- 涙目・目やに・顔の腫れがある
- 体重が減ってきた
- うんちが小さい、少ない、出ていない
- 元気がなく、じっとしている
特に注意したい状態
食欲低下とうんちの減少が一緒に見られる場合は、歯だけでなく消化管の動きにも影響が出ている可能性があります。
うさぎは体調不良を隠しやすいため、普段との違いが続く場合は、早めの受診が大切です。
動物病院ではどのような診察をするの?

問診
食欲やうんちの状態、症状が始まった時期、食べにくそうにしている食べ物などを詳しく確認します。
身体・口腔の確認
口元や歯、あご、体重、全身状態を確認します。奥歯は外から分かりにくいため、必要に応じて口の中も確認します。
必要に応じた画像検査
歯の伸び方、口の中の傷、あごや歯の根元の状態などを調べ、処置が必要かどうかを判断します。
全身状態のサポート
食欲低下や脱水がある場合は、歯の処置だけでなく、注射やお薬などによるサポートが必要になることもあります。
歯の処置は麻酔が必要?

うさぎの歯科処置では、現在世界的にも全身麻酔や鎮静処置などを施したうえで処置することが推奨されています。無理に口を開けたり、不安定な状態で処置を行ったりすると、うさぎが怪我をする恐れがあるからです。
実際にうさぎが怪我をしたり、死亡したりする事例が発生しています。
ただ、ご高齢で麻酔をかけられるか分からないうさぎや、麻酔が不安という飼い主さまが多くいらっしゃるのも事実です。まずは現在の状態を確認し、必要な検査や処置について説明を受けることが大切です。心配ならしっかりと獣医師と相談のうえで処置の内容を決めましょう。
自宅でできる予防と日頃のチェック

うさぎの歯のトラブルを完全に防ぐことは難しい場合もありますが、日頃の観察や食事管理で早く気づけることがあります。
牧草をしっかり食べているか確認する
牧草は、うさぎの歯とお腹の健康にとって大切です。
毎日どのくらい牧草を食べているか、急に食べる量が減っていないかを確認しましょう。
ペレットやおやつに偏りすぎない
ペレットやおやつを好むうさぎも多いですが、そればかりになると牧草を食べる量が減ってしまうことがあります。
食事内容について不安がある場合は、動物病院で相談してみてください。
体重を定期的に測る
歯のトラブルがあると、少しずつ食べる量が減り、体重が落ちてくることがあります。
見た目では分かりにくい変化も、体重を測ることで気づきやすくなります。
うんちの量・大きさを見る
うさぎの体調を見るうえで、うんちは大切なサインです。
うんちが小さい、少ない、形が不揃い、出ていないといった変化がある場合は注意が必要です。
口元・あご・前足を見る
よだれや食べこぼしは、口元だけでなく、あごや前足の汚れとして現れることがあります。
毛が濡れていないか、皮膚が赤くなっていないかも確認しましょう。
定期的に健康診断を受ける
奥歯のトラブルは、飼い主さまが見つけるのが難しいことがあります。
症状が出てからだけでなく、定期的に動物病院で健康状態を確認することも大切です。
うさぎの食べ方や口元に異変があるときは早めにご相談ください

うさぎの歯のトラブルは、最初は小さな変化として現れることがあります。
ペレットをこぼす、牧草を食べにくそうにする、よだれが出る、好きなものだけ食べるといった変化は、歯や口の中の異常が関係しているかもしれません。
また、食べる量が減ることで、うんちの減少や消化管の不調につながることもあります。
「少し食べているから大丈夫」と判断せず、普段と違う様子が続く場合は、早めに動物病院へご相談ください。
東中野アック動物医療センターでは、うさぎを含むエキゾチックアニマルの診療を行っています。食べ方の変化、よだれ、口元の汚れ、食欲低下など気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
うさぎの歯のトラブルに関するよくある質問
うさぎの食べ方・口元が気になる飼い主さまへ
小さな変化でも、早めにご相談ください
ペレットをこぼす、牧草を食べない、よだれが出る、うんちが減ったなど、普段と異なる様子が続く場合は診療時間内にご来院ください。緊急性が高いと思われる場合や、来院前に確認したいことがある場合は、お電話でご相談ください。
診療時間9:00〜12:00/16:00〜19:00
初診受付各診療終了時間の30分前まで
休診日年中無休
※診療時間や獣医師の出勤状況は変更となる場合があります。ご来院前に公式サイトをご確認ください。
