「夜中に赤ちゃんのような声で鳴き続ける」
「家中におしっこをされて困っている……」
愛猫の突然の変化に、戸惑いと不安を感じていませんか?
猫の発情期は生理現象ですが、状況によっては脱走やスプレー行動(尿マーキング)の固定化、ストレス増加につながることがあります。
この記事では、中野区・東中野の「東中野アック動物医療センター」が、猫の発情メカニズムの全体像から、今夜すぐできる防音・脱走対策、そして気になる避妊・去勢手術の判断基準まで、飼い主様が今すべきことをステップ形式で解説します。
1. 知っておきたい「猫の発情」の全体像

猫の発情は、人間や犬とは大きく異なる独自の仕組みを持っています。まずは「なぜ今の状態が起きているのか」という全体像を理解しましょう。
季節と光がスイッチになる「季節繁殖動物」
猫は、日照時間が長くなると繁殖活動が活発になる「季節繁殖動物」です。
- 野生・外猫の場合
日が長くなる春先から秋口にかけて、年に2〜3回の発情期を迎えるのが一般的です。 - 室内飼育の場合
夜間も照明で明るく、気温も一定に保たれているため、季節を問わず1年中断続的に発情が起こる傾向があります。
メス猫は「交尾排卵」という仕組み
人間や犬は周期的に排卵が起こりますが、猫は「交尾の刺激によって排卵する(交尾排卵)」という特徴があります。
そのため、交尾が行われない限り、卵胞が成熟しては退行することを繰り返し、「発情期→休止期→発情期」という激しいサイクルを短期間で繰り返すことになります。
オス猫に「決まった発情期」はない
オス猫には自発的な周期はありません。近隣にいるメス猫が発する「フェロモン」や「鳴き声」に反応して、いつでも発情状態になります。
家の中にいても、外のメスの気配を感じれば突然スプレー行動や夜鳴きを始めることがあります。
2. 愛猫の状態を確認するセルフチェック

猫は性成熟に達すると発情が見られるようになり、目安として生後半年〜1年前後で始まることがあります。まずは性別ごとの特徴的なサインを確認してみましょう。
メス猫に見られる主なサイン
- 独特な大声で鳴く
「アオーン」「ギャオー」といった、普段とは違う赤ん坊の泣き声に近い声で鳴き続ける。 - 過度な甘え・転がる
床に体を激しくこすりつけたり、ゴロゴロと転がる動作が増える。 - 特有のポーズ(ロードシス)
お尻を撫でると、腰を高く突き上げて足踏みするような姿勢をとる。 - 脱走への執着
外に出たがって、窓やドアの近くから離れなくなる。
オス猫に見られる主なサイン
- スプレー行動
尻尾をピンと立て、壁や家具などに少量の尿を垂直に吹きかける(尿マーキング)。 - そわそわして落ち着かない
攻撃的になったり、室内を歩き回るなど、興奮状態が続く。 - 大きな声で鳴き返す
メス猫の鳴き声に反応して、呼応するように大きな声で鳴く。 - 強い脱走意欲
メス猫を求めて、隙を突いて外に出ようとする動作が激しくなる。
【判定】 当てはまる項目が多いほど、発情の可能性が高まります。 まずは「今夜の安全対策」から始めましょう。 |
⚠️ 受診を急ぐサイン(発情期以外の可能性) 以下の症状が見られる場合は、発情期ではなく泌尿器疾患(結石や膀胱炎)や体調不良の可能性があります。 特に「何度もトイレに行くのに出ていない/苦しそう」という状態は緊急度が高いため、早めに受診してください。 ・血尿が出ている、またはおしっこの色が濃い ・何度もトイレに行くが、おしっこが出ていない(頻尿・排尿困難) ・排尿時に痛そうに鳴く ・ぐったりしている、食欲が極端に落ちている、何度も嘔吐する |
3. 今夜の対処:優先順位つきチェックリスト

発情期の猫を叱っても解決にはなりません。まず最優先は「脱走・事故を防ぐこと」です。
① 脱走ルートへの対策(最優先)
- 出入り口の完全封鎖
網戸を突き破って出るケースもあります。窓やドアは必ず施錠してください。 - 玄関のガード
玄関を開ける前に猫を別室へ入れるか、脱走防止フェンス(ゲート)を活用しましょう。 - 万一の備え
中野・新宿エリアの市街地では脱走後の捜索が困難になることもあるため、首輪(迷子札)やマイクロチップの装着を検討しましょう。
② 夜鳴き(うるさい・眠れない)への対策
- 外部刺激の遮断
厚手の遮光カーテンを閉め、窓際からケージやベッドを遠ざけましょう。 - 安心できる場所作り
キャリーケースにブランケットをかけ、暗くて狭い場所を用意してあげると落ち着きやすくなります。 - 防音の工夫
今夜だけ別室で過ごさせる、ドアの隙間にタオルを挟むなどして、外への漏れを和らげます。
③ スプレー(尿マーキング)への対策
- 匂いの元を分解する掃除を
ペット用の酵素系クリーナー等を使い、匂いの元を残さない掃除を意識してください。 - 「覚える前に去勢」を
オスのスプレーは、去勢手術で改善が期待できますが、すでに習慣化している場合は手術後も行動が残ることがあります。
4. いつまで続く?(期間・見通し・セルフケアの限界)

猫の発情周期には個体差がありますが、一般的な見通しを解説します。
発情の期間と繰り返しの仕組み
・1回の持続期間
一般的には4日〜10日程度(長いと2週間近く)続きます。この期間中、昼夜を問わず大きな鳴き声が続くことがあります。
・繰り返しのスパン
発情が終わっても、1〜3週間ほどの休止期を経て、すぐに次の発情が始まることが珍しくありません。
・室内飼いの傾向
照明の影響で、季節を問わず1年中断続的に発情を繰り返す個体も多いです。
発情期の間、どう過ごすべき?(セルフケアの限界)
・基本は「静かに見守る」
無理に構いすぎたり、大きな音で驚かせたりすると、かえって興奮を煽る可能性があります。
・「放置」の健康リスク
安全対策をすれば家でやり過ごすことは可能ですが、猫には閉経がありません。手術をしない限り、生涯にわたって発情ストレスを繰り返すことになります。
これは猫にとってエネルギーの消耗が激しいだけでなく、将来的に子宮蓄膿症(子宮に膿が溜まる病気)や乳腺腫瘍などの深刻な疾患を招くリスクも高まります。
5. やりがちだけど逆効果:発情期のNG対応

良かれと思ってしたことが、愛猫の体を傷つけたり、事態を悪化させたりすることがあります。ネット上の情報には特に注意が必要です。
ネットで見かける「綿棒などでの刺激」
動画サイトなどで「綿棒で刺激して発情を止める」という方法が紹介されていることがありますが、大変危険ですので絶対に行わないでください。繊細な場所を傷つけて出血させたり、細菌が入って子宮の病気(子宮蓄膿症など)を引き起こしたりする恐れがあります。
また、一時的に止まったとしても根本解決にはなりません。
大声で叱る・叩く
猫との信頼関係が崩れるだけでなく、ストレスでスプレーなどの問題行動が悪化する原因となります。
「少しくらい…」と外に出す
交通事故、猫同士の喧嘩による大怪我、感染症、望まない妊娠のリスクが極めて高いです。
大きな音で驚かせる
一時的に鳴き止んでも、猫がパニックになり、再燃した際の興奮をさらに高めるリスクがあります。
6. 避妊去勢:よくあるQ&A

Q1:発情中でも避妊手術はできますか?
発情中でも手術は可能ですが、血流が増えて出血リスクが上がるため、基本は落ち着いた時期を推奨します。ただ、発情が長引いたり行動が強くて困っている場合は、発情中でも実施することがあります。体調・検査結果をふまえて獣医師が時期をご提案します。
Q2:発情が終わってから、どれくらいで手術を考えればいい?
一般的には発情が落ち着いた時期が理想的ですが、個体差があります。まずは診察にて最適なスケジュールを相談しましょう。
Q3:初回発情前に手術したほうがいいですか?
最初の発情前に避妊手術を行うことで、将来の乳腺腫瘍リスクが低下するという報告があります。体格や健康状態に合わせ、個別に相談が必要です。
【当院の手術について詳しく知りたい方へ】 手術の流れや費用、術後のケアについては、以下の記事で詳しく解説しています。 |
まとめ:中野・新宿エリアで猫の発情期にお悩みの飼い主様へ

発情期は、猫にとっても飼い主様にとっても非常にエネルギーを使う時期です。
「夜鳴きが心配」「スプレーをどうにかしたい」と感じたら、一人で悩まずに当院へご相談ください。
東中野アック動物医療センターは、落合駅から徒歩1分、東中野駅から徒歩5分の立地にあり、中野区・新宿区をはじめ、中井、目白、高田馬場エリアからも多くの飼い主様にご来院いただいております。
年中無休(土日祝も診察)ですので、お忙しい飼い主様も、愛猫の体格や手術のタイミングについていつでもお気軽にお立ち寄りください。
【病院アクセス情報】
- 病院名:東中野アック動物医療センター
- 住所:〒164-0003 東京都中野区東中野4-29-6 日向ビル1F
- 電話:03-5937-6627
- アクセス:落合駅より徒歩1分/東中野駅より徒歩5分
- 診察時間:9:00-12:00 / 16:00-19:00(年中無休)
