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フェレットがご飯を食べない・元気がない|原因と受診目安を獣医師が解説

「昨日からフードを残すようになった」

「いつもなら遊んでいる時間なのに、ずっと寝ている」

「おやつには反応するけれど、普段のご飯をあまり食べない」

「少しふらついているように見える」

フェレットの食欲や元気が落ちていると、「もう少し様子を見ても大丈夫なのかな?」と迷う飼い主さまも多いと思います。

食事や生活環境の変化などで一時的に食欲が落ちることもありますが、フェレットの「食べない」「元気がない」という変化の背景には、胃腸のトラブル、誤飲・消化管異物、低血糖を起こす病気、心臓病などが隠れていることもあります。

この記事で最も大切なこと

「どのくらい食べていないか」だけでなく、元気、歩き方、便、よだれ、吐き気、体重などを一緒に確認することです。

この記事では、フェレットがご飯を食べない・元気がないときに自宅で確認したいポイント、考えられる主な原因、受診の目安、動物病院で行う診察・検査について解説します。

東中野アック動物医療センターでは、フェレットを含むエキゾチックアニマルの診療を行っています。

先に結論|「食べない」以外の変化も確認してください

フェレットがいつもよりご飯を食べていないときは、食事量だけで判断せず、次のような変化がないか確認してください。


  • 元気がなく、ぐったりしている

  • いつもより起きてこない、反応が鈍い

  • ふらつく、後ろ足に力が入りにくそう

  • よだれが出る、口元を気にする

  • 吐き気を疑う仕草がある

  • 便の量が明らかに少ない、出ていない

  • 嘔吐や下痢がある

  • 血便や黒っぽい便がある

  • 体重が減っている

  • ゴム、スポンジ、布、プラスチックなどを誤飲した可能性がある

  • けいれん、意識がおかしい、立てないなどの変化がある

受診判断で特に注意したい状態

「食べない+ふらつき」「元気がない+吐き気を疑う仕草」など、食欲低下以外の症状が重なっている場合。

まったく食べない状態が1〜2日続いている場合。

ふらつき、ぐったり、吐き気を疑う仕草、けいれん、意識の異常などがある場合は、1〜2日を待たず早めに相談してください。

ふらつきは低血糖だけでなく、心臓病や貧血など、さまざまな原因で起こることがあります。

フェレットは少しずつ何度も食べる「ダラダラ食い」をする子もいるため、「何時間食べていないか」だけで一律に判断することは難しいですが、まったく食べない状態が1〜2日続く場合は受診をおすすめします。

フェレットがご飯を食べないときに確認したいこと

どのくらい食べているか

まず確認したいのは、実際にどの程度食事量が減っているのかです。

  • 全く食べない
  • 普段より食べる量が少ない
  • 普段のフードは食べないがおやつなら食べる

食器に残っている量だけでなく、普段と比べてどのくらい食べる量が減っているのかを確認しておくと、診察時にも重要な情報になります。

「少しは食べているから大丈夫」とは限りません。食欲が徐々に落ちている場合、毎日見ている飼い主さまほど変化に気づきにくいこともあります。

体重が減っていないか

食欲低下があるときは、可能であれば体重も確認してください。

当院で特に確認すること

「いつから体重が減っているのか」「そもそも体重減少がないのか」という点も重視しています。急に起こった変化なのか、しばらく前から少しずつ進んできた変化なのかによって、考える病気が変わることがあるためです。

日頃から定期的に体重を測っておくと、体調変化に気づく手がかりにもなります。

元気や活動量は落ちていないか

フェレットはもともとよく眠る動物です。そのため、「寝ている=病気」というわけではありません。

一方で、「いつもなら起きてくる時間なのに出てこない」「ケージを開けても遊ぼうとしない」「起こしても反応が鈍い」「以前より疲れやすくなった」といった、その子の普段の生活と比べた変化は重要です。

インスリノーマなどによる低血糖をはじめ、心臓病、貧血、腫瘍性疾患などでも元気や活動量が低下することがあります。

「年齢のせいかな」と決めつけず、食欲や体重などほかの変化も一緒に確認しましょう。

歩き方がおかしくないか

フェレットが歩いている様子も確認してください。

  • 後ろ足がふらつく
  • 足に力が入りにくそう
  • 滑ることが増えた
  • 途中で座り込む
  • 以前より歩き方が不安定

低血糖では後肢の弱さやふらつきがみられることがあります。しかし、「ふらつく=インスリノーマ」とは限りません。

心臓病や貧血などでもふらつくことがあるため、症状だけで原因を決めつけず、全身状態を確認する必要があります。

歩き方がおかしいと感じた場合には、可能であればスマートフォンなどで動画を撮影しておくと、診察時の参考になります。

よだれや口元の変化はないか

よだれが増えていないか、口をクチャクチャする、口元を気にするといった仕草がないかも確認しましょう。

フェレットでは、低血糖や吐き気、消化器の不調などに伴ってよだれがみられることがあります。

そのため、「よだれが出ているから口の病気」「よだれがあるからインスリノーマ」と一つの原因に決めつけることはできません。

食欲や元気、歩き方、便など、ほかの症状と合わせて評価することが大切です。

便の量や状態は変わっていないか

食事量が減れば、便の量も少なくなります。

しかし、「食欲が落ちている+便がほとんど出ていない」という場合には、誤飲や消化管の通過障害についても確認する必要があります。

  • 下痢
  • 血便
  • 黒い便
  • 便が極端に少ない
  • 便が出ていない

便そのものの異常については、「フェレットの下痢・ゆるいうんち|緑色・血便・タール便の原因と受診目安」でも詳しく解説しています。

誤飲した可能性はないか

フェレットは身の回りの物をかじることがあります。特に次のような物がなくなっていないか確認してください。

  • ゴム製品
  • スポンジ
  • 柔らかいプラスチック

異物が胃や腸にとどまると、食欲低下、元気消失、便量の減少、吐き気などにつながることがあります。

また、「吐いていないから誤飲ではない」とは限りません。食欲低下や便量の減少があり、誤飲の可能性が考えられる場合には、症状がはっきりするまで待たず動物病院へご相談ください。

フェレットがご飯を食べなくなる主な原因

フェレットの食欲不振にはさまざまな原因があります。ここでは代表的なものを紹介しますが、実際には複数の症状や検査結果を組み合わせて原因を考えていきます。

食事や生活環境の変化

フードを変更した、引っ越した、ケージを変えた、新しい動物を迎えたなど、生活環境の変化と食欲低下が同じ時期に起こることがあります。

ただし、「フードが気に入らないだけだろう」「環境が変わったせいだろう」と決めつけてしまうと、病気による食欲低下を見逃す可能性があります。

元気、便、体重、歩き方などにも変化がないか確認してください。

胃や腸などの消化器疾患

胃や腸のトラブルでも、次のような症状がみられることがあります。

  • 食欲不振
  • 元気消失
  • 体重減少
  • 下痢
  • 嘔吐
  • よだれ
  • 吐き気を疑う仕草

「食べない」という症状だけでは、胃の問題なのか、腸の問題なのか、消化器以外の病気なのかを区別することはできません。

症状に応じて身体検査、血液検査、X線検査、超音波検査などを組み合わせて原因を確認します。

誤飲・消化管異物

フェレットで注意したい原因の一つが誤飲です。特に柔らかいゴムやプラスチックなどを飲み込み、胃や腸にとどまることがあります。

食欲不振、元気消失、よだれ、便量の減少、腹部の不快感などがみられる場合があります。

異物が疑われる場合には、X線検査や超音波検査などを用いて確認することがあります。

低血糖・インスリノーマ

中高齢のフェレットで知っておきたい病気の一つがインスリノーマです。

インスリノーマは、膵臓からインスリンが過剰に分泌されることによって低血糖を引き起こす病気です。

  • 元気がない
  • ふらつく
  • 後ろ足に力が入りにくい
  • よだれが出る
  • ぼんやりする
  • 力が入らない

重度になると、倒れたり、けいれんしたり、意識状態に異常がみられることもあります。

ただし、こうした症状はインスリノーマだけにみられるものではありません。血糖値を含めた検査を行い、ほかの病気も考えながら原因を確認する必要があります。

副腎疾患・リンパ腫など

フェレットでは、中高齢になるにつれて副腎疾患やリンパ腫などの病気にも注意が必要です。

これらの病気でも全身状態が悪化すると、元気や食欲が低下したり、体重が減ったりすることがあります。

食欲不振だけで一つの病気に絞り込まず、年齢や症状の経過を含めて全身を確認することが大切です。

心臓病

当院では、フェレットの診察時に心音も確認します。

フェレットでは拡張型心筋症などの心疾患がみられることがあり、状態によっては元気がない、疲れやすい、ふらつく、食欲が低下するといった変化につながることがあります。

「ふらついているから低血糖」と決めつけるのではなく、心臓を含めた全身状態を評価することが重要です。

高齢のフェレットでは特に全身状態を確認します

当院では、フェレットで特に注意する代表的な病気として、次のような疾患を意識して診察しています。

  • インスリノーマ
  • 副腎疾患
  • リンパ腫
  • 拡張型心筋症

どの病気も、状態によっては元気や食欲の低下につながります。

特に高齢のフェレットでは、一見すると「年齢のせいかな」と思う変化の背景に病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

  • 最近よく寝るようになった
  • 少しずつ食べる量が減っている
  • 体重が以前より落ちている
  • 以前ほど遊ばなくなった

こうした変化が続いている場合には、一度動物病院で全身状態を確認することをおすすめします。

「食べない+ふらつく」は早めに相談してください

フェレットが食べなくなったとき、当院で特に注意している症状の一つがふらつきです。

ふらつきは、低血糖、心臓病、貧血など、さまざまな状態でみられることがあります。

そのため、「インスリノーマだろう」と自宅で原因を決めつけるのではなく、診察を受けることが大切です。

また、元気がないうえに吐き気を疑う仕草がある場合も、あまり長く様子を見ないようにしてください。

可能であれば、ふらつきや普段と違う動きが出ているときに動画を撮影しておくと、病院で症状が出ていない場合でも診察の参考になります。

「食べない+便が少ない」場合は誤飲にも注意

食べる量が減れば便量も少なくなりますので、便が少ないだけで腸閉塞とは判断できません。

しかし、次のような変化が重なっている場合には、消化管異物なども考える必要があります。

  • 急に食べなくなった
  • 便がほとんど出ていない
  • 元気もない
  • よだれがある
  • 吐き気を疑う仕草がある
  • ゴムやスポンジなどがなくなっている

「吐いていないから大丈夫」と自己判断せず、誤飲の可能性がある場合は動物病院へご相談ください。

動物病院ではどのようなことを確認する?

フェレットが食べない、元気がないときは、単に食欲を戻すことだけではなく、なぜ食べなくなっているのかを確認することが重要です。

症状や状態に応じて、必要な診察・検査を検討します。

問診

診察では、次のような点を確認します。

  • いつから食欲が落ちたのか
  • どの程度食べているのか
  • いつから体重が減っているのか
  • 元気や活動量
  • 便の状態
  • よだれ
  • 吐き気・嘔吐
  • 歩き方
  • 誤飲の可能性
  • これまでにかかった病気

特に体重変化については、急性の症状なのか、慢性的に進んでいる状態なのかを考える手がかりになります。

身体検査

体重、脱水状態、口腔内、腹部、全身状態などを確認します。

さらに当院では、粘膜の色を見て貧血を疑う変化がないか、心音に異常がないかなども確認します。

「食欲がない」という一つの症状だけでも、原因は消化器だけとは限りません。そのため、全身を確認することが重要です。

血液検査

症状や年齢などに応じて、血液検査を行います。

特に、ふらつく、元気がない、後ろ足に力が入りにくいといった場合には、血糖値の確認が重要になることがあります。

また、貧血や臓器の状態なども含めて確認します。

X線検査・超音波検査

誤飲や消化管疾患、腹腔内の異常などが疑われる場合には、X線検査や超音波検査を行うことがあります。

すべてのフェレットに同じ検査を行うわけではありません。年齢、症状、診察所見などから、必要な検査を選択します。

受診前に確認しておくと役立つこと

フェレットの症状は、動物病院に到着したときには一時的に分かりにくくなっている場合があります。

受診する際には、可能な範囲で次の情報を準備しておくと診察の参考になります。

  • ふらつきや歩き方などの動画
  • いつから、どのくらい食べていないか
  • 普段の体重
  • 最近の体重変化
  • 普段食べているフード
  • 便の状態
  • 服用している薬
  • 誤飲が疑われる場合は、同じ製品や材質・大きさが分かる情報

特に、普段の体重を把握しておくことと、歩き方がおかしい場合は動画を撮影しておくことをおすすめします。

また、受診前に食事をした場合は、「何時ごろ、どのくらい食べたか」を診察時にお伝えください。

フェレットが食べないときによくある質問

Q.何時間・何日食べなかったら病院へ行くべきですか?

A.フェレットには少量ずつ食べる子もいるため、「○時間食べなければ受診」と一律に決めることは難しいです。一方で、まったく食べない状態が1〜2日続く場合は受診をおすすめします。

ふらつく、明らかに元気がない、吐き気を疑う仕草がある、便が出ていない、誤飲の可能性がある、けいれんや意識の異常があるなどの症状がある場合は、1〜2日を待たずに早めにご相談ください。

Q.おやつを食べていれば大丈夫ですか?

A.おやつを食べることだけで、体調に問題がないとは判断できません。普段のフードをどのくらい食べているか、元気、体重、便、歩き方などにも変化がないか確認してください。

「好きな物だけなら食べる」という状態が続いている場合も、食事量そのものが減っていないかを見ることが大切です。

Q.フェレットはよく寝るので、元気がないのか分かりません

A.睡眠時間だけではなく、その子自身の普段の様子と比較してください。

「ケージを開けても起きてこない」「以前より遊ばなくなった」「起きてもすぐ横になる」「食事への反応が弱くなった」といった変化があれば、体調不良のサインである可能性があります。

Q.ふらついているのですが、インスリノーマでしょうか?

A.インスリノーマによる低血糖でふらつくことはありますが、ふらつきだけでインスリノーマと判断することはできません。

心臓病や貧血などでもふらつきがみられることがあります。年齢、症状の経過、身体検査、血糖値などを確認しながら原因を考えます。

Q.吐いていなければ誤飲ではありませんか?

A.嘔吐がなくても、消化管異物を否定することはできません。

食欲低下、便量の減少、元気消失などがあり、ゴムやスポンジなどを誤飲した可能性がある場合には、動物病院へご相談ください。

Q.病院へ行く前にご飯を抜いた方がよいですか?

A.当院では、食欲不振で受診するフェレットについて、一律に「必ず絶食してください」とはしていません。

食べさせた場合には、何時ごろ、どのくらい食べたのかを診察時にお伝えください。検査内容やその子の状態によって個別に対応が変わる場合がありますので、事前に動物病院から指示がある場合はその指示に従ってください。

中野区・東中野周辺でフェレットの食欲低下が気になる方へ

フェレットがご飯を食べないときは、食欲だけではなく、元気、体重、歩き方、よだれ、便、吐き気、誤飲の可能性などを一緒に確認することが大切です。

特に、次のような場合には長く様子を見ず、動物病院へご相談ください。

  • ふらついている
  • 明らかに元気がない
  • 元気低下と吐き気を疑う仕草がある
  • まったく食べない状態が1〜2日続いている
  • 便が極端に少ない、出ていない
  • 誤飲した可能性がある
  • けいれんや意識の異常がある

東中野アック動物医療センターでは、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥などのエキゾチックアニマルの診療を行っています。

また、エキゾチック診療の強化のため、エキゾチック専門獣医師の霍野晋吉先生を顧問獣医師として迎えています。

「いつもと少し違う気がする」「病院へ行くべきか迷っている」という段階でも、気になる変化があればご相談ください。

フェレットの食欲や元気の変化が気になる場合はご相談ください

「食べない」「ふらつく」「いつもより元気がない」など、普段と異なる様子がみられる場合には、長く様子を見ずご相談ください。

東中野アック動物医療センター
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東中野アック動物医療センター院長 阿部 透
東中野アック動物医療センター院長
芝﨑 孝次郎
すべてのペットに安心の医療を。

当院では犬・猫以外のエキゾチックアニマルの診療も行っております。
その子たちにも安心できる医療を届けられるよう努力してまいります。

治療や飼育方法など気になることがあれば気軽にご相談いただけると、我々も皆様がどんなことに対して気になっているか共有できるので、ぜひご相談ください。

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